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2023.2.17 fri - 26 sun | 感覚だけを残して マツオカ ヒロタカ

更新日:2023年2月13日



美しい光を見つけると、不意に立ち止まり見入ってしまう。

でも、光はいつか必ず過ぎ去っていく。

輪郭は失われ、記憶から薄れてしまう。

愛する人や場所もいつか変わってしまう。大切な言葉ですら風化していく。

確かなものは何もかも目の前から過ぎ去る。

感覚だけを残して。

写真は性質上現実にそこに在るものしか写すことはできない。

そこに感情や感覚などが写り込む余地はありえない。

しかし、紙の上に写っているものを通じて、自らの内にある感覚が呼び起こされる。

美しい光と共にあったあのときの感覚を。

それが例え失われたものだとしても、意味のないものだとしても、心のどこかを照らしている。

不確かなものだけど、自らの支えになっている。

或る日の感覚をなぞる。ここに残っている感覚を、もう一度確かめてみる。

明日まで生きるために、美しい光を求めて。

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